テントを背負って登った雪の鳥海山

4、1970~80年代のテント山行を回想する 4月上旬、駒止めを出発して御浜に登った。扇子森を越えて、溶岩ドームとの鞍部にテントを張る。夕方から西風が強まり吹雪が始まった。強風に押され突風に拉げるテントに一晩中はらはらしながらやり過ごした朝、奇跡的…

テントを背負って登った雪の鳥海山

3、横堂経由、滝ノ小屋へ 寒波が去り、久しぶりの晴天が予想された。湯の台登山口に車を置き、ワカンを履いて歩き始める。予定は2泊3日、背負ったザックはけっこう重い。登り始めから膝を越すラッセルが始まった。荷物を背負ったままでは進めないので、空身…

テントを背負って登った雪の鳥海山

2、北面の展望台 丸森 丸森のピークにテントを張り朝夕の鳥海山北面を眺める、という計画で中島台リクリエーションの森を出発した。同行は山仲間のSさん。Sさんは都合により明日の朝に下山する。雪に覆われた県道52号線を進み、ヘナソ沢を過ぎた辺りから赤ハ…

テントを背負って登った雪の鳥海山

鳥海山ではテントの設営が条例で禁止されています。テントを張る行為が地表に与える影響がとても大きいからです。以前、テント場として大勢の登山者が利用した河原宿や鳥海湖の現状を見れば、地表に与えるインパクトは明らかです。自然に与える悪影響を極力…

鳥海山ー山歩き雑感ー

22、鍋森から噴出した溶岩流 鳥海山山頂の南西の中腹に、笙ヶ岳と月山森の大きな尾根に挟まれた細長い地形があります。ここは、鍋森から流れ出た溶岩が冷えて固まり形成され、その後ブナに覆われた静かな場所です。並走するように伸びる三本の登山道があり、…

鳥海山ー山歩き雑感ー

21、山頂御室 山頂御室を見ると、「こんなすごい所に・・・」といつも思います。国内には標高3000mを越す山頂付近に建つ山小屋が数多くあり、長年の風雪に耐えています。鳥海山の山頂御室の何がすごいかというと、それは溶岩流の上に建っているということで…

鳥海山ー山歩き雑感ー

20、千畳ヶ原 千畳ヶ原は憧れの地。周囲を峰々に囲まれた緩やかな湿原が広がっています。厳しい山行が続いた後は、いつも広大な湿原に敷かれた木道に腰を掛け、周りを取り囲む峰々を見渡し無為の時を過ごしました。それでも、ここに来ることはなかなか簡単で…

鳥海山ー山歩き雑感ー

19、石祠 鳥海山を吹浦口あるいは湯の台口から登ると、途中からかつての登拝道を辿ることになります。登拝道には拝所があり、石祠が置かれています。これまでの山行で多くの石祠にカメラを向けてきました。その中で、周囲の環境や景観と一体になった祠の写真…

鳥海山ー山歩き雑感ー

18、スノーブリッジ 日本海からたっぷり水蒸気を吸い上げて吹き荒れる季節風は、鳥海山に大量の雪を降らせます。強い風は雪を吹き飛ばし、尾根やピークの東側に吹き溜まりを作ります。雪は真夏でも融けずに残り、きれいな残雪模様を描きます。年によっては、…

鳥海山ー山歩き雑感ー

17、虫穴 外輪山の稜線に、登山口から見てそれと分る巨大な溶岩の塊「虫穴」が載っています。溶岩が冷えた時に、火山ガスが抜けた穴が無数に空く軽石のような岩と言われているのですが、長い時間の雨水による風化の影響も受けています。 百宅登山口から見上…

鳥海山ー山歩き雑感ー

16、如意輪観音 湯の台口の登山道では、薊坂を登り切り外輪の尾根に出るまで新山を見ることはできません。伏拝岳に立った時、目の前に突如現れる新山溶岩ドームの印象は強烈です。登り切った感激が大きく、昔ここに大物忌神社の遥拝所があったというのもうな…

鳥海山ー山歩き雑感ー

15、康新道のチョウカイフスマ 日増しに深まる秋の日に康新道を歩きました。見上げる山頂は、雪の来るのを待っているだけのようです。 足元の色付いた草紅葉の中に、黄葉したチョウカイフスマがありました。先端にまだ緑を残した姿から、鳥海山を代表する高…

鳥海山ー山歩き雑感ー

14、S字雪渓 百宅登山口から、登り一方の道を汗をぬぐいながらひたすら登り、唐獅子平に着きました。 登山口から見上げる 登る途中で見たサンカヨウ それまで見えなかった外輪山が姿を現し、唐獅子岩と呼ばれる大きな溶岩塊が出迎えてくれました。ここに初め…

鳥海山ー山歩き雑感ー

13、千畳ヶ原の池塘 1982年10月上旬に撮影した千畳ヶ原の池塘です。(40年前に撮影したポジフィルムで、退色が進んでいます。) 次は、同じ池塘の最近の姿です。 大きな変化は、池塘にミヤマホタルイが繁茂したことです。水面に映える扇子森を見れなくなりま…

鳥海山ー山歩き雑感ー

12、鍋森 伏拝岳から見た冬の鍋森 山の地形は、余計なものが雪に覆われる冬に見ると分かりやすいと言われます。山仲間が、雪に覆われた鍋森を見て「へんなの!」と言った通り、とても変わった風景だと思います。 雪の無い季節に、四方から鍋森を見て見ます。…

鳥海山ー山歩き雑感ー

11、万助小舎の水場 万助小舎の裏手にある水場には、年中枯れることなく清流が流れています。 最近まで、この水場はここで水が湧き出している、と思い込んでいました。小舎から千畳ヶ原を目指して登って行った時、道の左から水場に流れこむ沢音が聞こえてき…

鳥海山ー山歩き雑感ー

10、アキアカネ 夏山を歩いていて、まとわりつくブヨに閉口することがよくあります。大群に襲われると、カメラのレンズのに群がる姿をファインダーを通して見てしまうことだってあるくらいです。防虫スプレーを「これでも食らえ!」とばかりに噴射してもあま…

鳥海山ー山歩き雑感ー

9、「岩峰」に載る巨岩 文珠岳から見た西鳥海の峰々 長坂道T字分岐から見た岩峰 麓の遊佐町白井新田から登って来る長坂道があります。登山口の山ノ神から標高差約1300mを登り、たどり着いた笙ヶ岳一峰から二峰、三峰、岩峰と三つのピークを経て御浜に到達す…

鳥海山ー山歩き雑感ー

8、御田ヶ原に広がる階段砂礫 秋の御田ヶ原と山頂 御田ヶ原を前景にした鳥海山は大好きな風景で、ここを訪れた時は四季を問わずシャッターを押します。なだらかな尾根いっぱいに広がる階段砂礫が、不思議な風景を見せてくれます。礫地が細長い段々を造る地…

鳥海山ー山歩き雑感ー

7、七高山溶岩 雪の消えた大雪路から見上げた七高山 矢島口の登山道を登っていて見上げる七高山は個性的な姿をしています。目立つのは山頂に厚手の被せ物のように乗る岩盤と切れ落ちた断崖です。山頂直下の舎利坂まで登ると、いよいよ断崖が目前に圧し迫っ…

鳥海山ー山歩き雑感ー

6、小砂川堰 鉾立展望台で落差100mと言われる白糸ノ滝を眺め、奈曽渓谷沿いの尾根道を登りました。尾根渡りで小さな尾根を東側に乗越し、白糸川左岸の道を進みます。沢音を聞きながら傾斜を増した石の階段を登ると賽ノ河原です。多くの登山者が荷を下ろして…

鳥海山ー山歩き雑感ー

5、外輪の尾根に転がる大岩 背後の雲海が彩を添える七高山を眺めながらひと休み。山頂に多くの登山者が集う賑やかな夏山風景が広がっています。鋭鋒の七高山ピークに、周囲の岩とは明らかに異質な巨岩が目につきました。今にも落下しそうに断崖に引っ掛かっ…

鳥海山ー山歩き雑感ー

4、東鳥海馬蹄形カルデラ内を流れた溶岩 康新道から稲倉岳を望む 康新道から西に見えるのは切り立つ東壁を顕わにした稲倉岳です。稲倉岳東壁と足元から切れ落ちる断崖は東鳥海馬蹄形カルデラ壁の一部であり、二つの壁に挟まれたカルデラの底には溶岩流が見え…

鳥海山ー山歩き雑感ー

3、千畳ヶ原湧水 8月上旬、御浜から鳥海湖をかすめて千畳ヶ原に下りました。木道を歩き、取り囲む周囲の峰々を見渡しながら夏の爽やかな草原を彷徨う計画です。T字分岐で一休みした後、幸治郎沢に向かい、沢の登り口で、ここに咲くミソガワソウと咲き始めの…

鳥海山ー山歩き雑感ー

2、スノーブリッジを渡るツキノワグマ 鳥海山の山中を歩いていて、ツキノワグマを目撃したことは何度かあったのですが、この日まで撮影したことはありません。突然至近距離で出会うのでなければ撮影したい気持ちは大いにありました。 この日、早朝に滝ノ小屋…

鳥海山ー山歩き雑感ー

四季を問わず鳥海山を彷徨い歩いています。写真撮影を主な目的にしているためカメラのファインダーを通しての狭い視野にもかかわらず、登る度に鳥海山から新鮮な感動をもらってきました。振り返ると、鳥海山の地形、気象、動植物などが醸し出す多くの現象に…

鳥海山ー紅葉と冠雪の季節ー

冠雪の山 30 残照(11月上旬)

鳥海山ー紅葉と冠雪の季節ー

冠雪の山 29 見上げる頂稜(11月上旬)

鳥海山ー紅葉と冠雪の季節ー

冠雪の山 28 外輪山の光と影(11月上旬)

鳥海山ー紅葉と冠雪の季節ー

冠雪の山 27 扇子森で仰ぐ山頂(11月上旬)