鳥海山ー山歩き雑感ー

18、スノーブリッジ

 日本海からたっぷり水蒸気を吸い上げて吹き荒れる季節風は、鳥海山に大量の雪を降らせます。強い風は雪を吹き飛ばし、尾根やピークの東側に吹き溜まりを作ります。雪は真夏でも融けずに残り、きれいな残雪模様を描きます。年によっては、新しい雪の降る季節になっても万年雪として越年する場合もあります。

 新山の東側に吹き黙る雪は、新山と七高山を繋ぐような形から、登山者の間でスノーブリッジと呼ばれています。

 スノーブリッジを作り出す風がどのように吹くのか疑問に思い、冬に撮影した写真を見ながら、外輪内壁(カルデラ壁)の岩氷の成長方向に注目してみました。冬の外輪内壁には吹き付ける季節風によって岩氷がびっしりと張り付いています。その岩氷が成長する方向は風向と一致します。

スノーブリッジを行く登山者 外輪内壁の岩氷は右を向く(南向き)

 

新山から見る七高山西壁(外輪内壁) 火口壁の岩氷は左を向く(北向き)
(手前は新山の岩峰)

 1枚目の写真から、スノーブリッジより南側(右側)の岩氷が成長した方向は南向きで、風は矢印のように南から吹いたことが分かります。二枚目の写真の外輪内壁は、七高山の位置から見るとスノーブリッジの北側(左側)で、岩氷が北向きに成長していることから、風は矢印のように北から吹いたことになります。

 


 地形図で見ると、新山を南北に巻くようにして吹く風がスノーブリッジの位置で衝突して、ここに大きな吹き溜まりが形成されることが分かりました。

七高山から見た成長途中のスノーブリッジ

 冬の山頂付近で、何故その位置にスノーブリッジが出来るのか不思議さを感じていながら、雪氷に覆われた頂稜の美しさに目を奪われて冷静に観察できなかったことが今になって悔やまれます。