2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

鳥海山ーモノクロームの情景ー

仙ヶ洞③ 仙ヶ洞を右に見て、外輪に向かってトラバースする。足元から千畳ヶ原に向かって一枚の斜面が切れ落ちていた。スキーヤーにとって垂涎の的になりそうな美しいスロープだ。風紋が刻まれた斜面上部に岩場が見える。ここは文珠岳と伏拝岳の間の、登山道…

鳥海山ーモノクロームの情景ー

仙ヶ洞② ボサ森の尾根に上がり、灌木帯と吹き溜まりの境を登った。次第に仙ヶ洞が大きく見えてくる。雪原を覆う風紋は、気温上昇でエッジが溶けて繊細さが損なわれていた。仙ヶ洞を構成する巨岩を岩氷(エビノシッポ)が覆っている。岩氷は新鮮さを保ったま…

鳥海山ーモノクロームの情景ー

仙ヶ洞(2021年2月中旬) 2019年冬の祓川から膝の不調が続いた。重荷を背負って長い距離を歩いたことが負担になったようだ。2020年は、無雪期の山歩きは続けていたが冬の山行を控えた。明けて、2021年、リハビリを続けたことが良かったのだろうか。違和感が消…

鳥海山ーモノクロームの情景ー

祓川②(2019年3月中旬) 夜になって再び風が強まり、朝になっても止まず小屋を揺する。高曇りの空の下に山頂が見えていた。昨日膝が痛まなかったことに気を良くして、無理なく行ける所までと決めて出発する。スノーシューを履いても膝まで埋まる所や氷化した…

鳥海山ーモノクロームの情景ー

・祓川(2019年3月中旬) 中島台で、膝に軽い痛みがあったのだが、重いテント泊の荷物を背負って長い距離を歩くことが出来た。2週間が過ぎて、痛みと違和感が消えたものの、膝痛はいつ再発するか分からない。中島台の時と同じように、高い所に上れなくても山…

鳥海山ーモノクロームの情景ー

・鳥越川(2019年3月上旬) 谷間に続く踏跡 波打つ雪原から見上げる山頂 北から見る八丁坂付近の山容 東壁を連ねる稲倉岳 夕映えの双耳峰 夕陽に輝く山頂 ヘッドランプで自分の踏み跡を確かめながらテントに戻る。暗くなると南西の風が吹き始めた。バタバタ…

鳥海山ーモノクロームの情景ー

・鳥越川(2019年3月上旬) 一週間後、再び県道象潟矢島線の除雪終点から歩き始めた。前回と同じコースを辿り、三郎沼の一段上のブナの疎林にテントを設営した。ここが森林限界なので、前回のような強風が吹かないことを祈り、氷化した堅い雪を掘り起こして…

鳥海山ーモノクロームの情景ー

中島台 変形膝関節症の症状があり、2年間冬山を控えていた。その間、膝周りを鍛える筋トレに励んだ。平地のウオーキングと軽い山歩きを続けているうちに奇跡的に痛みが消えた。膝痛が再発する危険はあるとしても、冬山を登れるのは今しかないと考えて中島台…

鳥海山ーモノクロームの情景ー

七高山(2017年3月上旬) 先月、快晴の朝を迎えていながら、なぜ七高山に行かなかったのだろう。身体的負担は大きかったが、七高山は近くにあったはずだ。その場で見た周囲の光景に満足してしまったのかもしれない。時が経つにつれて、他の季節と同じように…

鳥海山ーモノクロームの情景ー

・影鳥海(3月1日) 朝焼けが始まっていた。栗駒山と月山だけが雲海の上に頭を出している。朝日が昇る前に動き出さなければならないことが分かっていても身体が怠い。雪面から伝わってくる寒気でよく眠れなかった。寒さで固くなった身体の動きは鈍く、夜明け…

鳥海山ーモノクロームの情景ー

・七高山に立つ(2月28日) 目の前を覆い尽す、エビノシッポという軽い響きでは表現できない重量感に溢れる氷の集合体。稜線上の小さな火山礫から大岩まで、すべての突起物が分厚い岩氷を纏っていた。七高山に立ち外輪内壁を振り返る。彼方に月山と朝日連峰…

鳥海山ーモノクロームの情景ー

・滝ノ小屋からソロバン尾根を登り、伏拝岳から虫穴へ(2月28日) ソロバン尾根を登り伏拝岳に着いた時、Hさんが新山から戻ってきた。35年振りの新山登頂を祝福し、下って行く姿を見送る。行者岳の先の鞍部でビバークの準備を済ませて、最小限の荷物を背負い…