鳥海山ーモノクロームの情景ー

・鳥越川(2019年3月上旬)

 一週間後、再び県道象潟矢島線の除雪終点から歩き始めた。前回と同じコースを辿り、三郎沼の一段上のブナの疎林にテントを設営した。ここが森林限界なので、前回のような強風が吹かないことを祈り、氷化した堅い雪を掘り起こして気持ち程度の風よけブロックを積んだ。

 朝から晴天が続いていて、頂稜の夕焼けが期待できそうだ。撮影場所を探して登って行くと、登頂を終えて下山する登山者数人とすれ違う。テントから遠くない位置で、新山と七高山をきれいに望むことが出来る場所に三脚を立てて夕焼けの時間を待った。次第に南西の風が強くなったが、前回ほどではなく夕日に染まる双耳峰を撮影することが出来た。

                 晴天の下の稲倉岳東壁

 

              鳥越川右岸の台地から仰ぐ山頂

 

                  森林限界のテント場

 

                    見上げる稲倉岳

 

                 扇子森の雪庇と波打つ雪原

 

                  蟻ノ戸渡付近の雪の壁