鳥海山ー山歩き雑感ー

10、アキアカネ

 夏山を歩いていて、まとわりつくブヨに閉口することがよくあります。大群に襲われると、カメラのレンズのに群がる姿をファインダーを通して見てしまうことだってあるくらいです。防虫スプレーを「これでも食らえ!」とばかりに噴射してもあまり効果は期待できません。ブヨに刺されると(ブヨは齧る)我慢できない痒みばかりではなく、大きく腫れてしまう人もいますので要注意です。ブヨの幼虫は清流にしか住めない昆虫で、水質の指標昆虫とされています。きれいな水の流れる所はは特にあぶないということですね。無慈悲に人の血を吸うブヨは、水が汚染されているかどうかを見極める良い面もあるのだ、と言われても安易に存在を認めるわけにはいきません。そんな嫌われ者のブヨですが、時々フッといなくなる時があります。そんな時、周囲を見るとアキアカネが大群で飛んでいることが多くあります。アキアカネはブヨを一網打尽に食べてしまいます。

アキアカネに襲われる?ツァー登山

 オニヤンマが、捕まえたアキアカネを頭からガツガツ音を立てて食べているのを見たことがあります。食物連鎖あるいは弱肉強食ということでしょうか。

群れ飛ぶアキアカネ

 アキアカネの群れがどうして高い山に登って来るのか調べてみると、アキアカネは気温が30度を越えると生きることができない昆虫だったのです。初夏に平地で羽化したアキアカネは、気温が上がり始めると山を登り始めます。夏の間は高い山で過ごし、気温が下がる秋口になると下山を始め、平地に戻り繁殖します。

 大群で山を飛び回るアキアカネは夏山の風物詩です。

長坂道にて