鳥海山ー山歩き雑感ー

11、万助小舎の水場

 万助小舎の裏手にある水場には、年中枯れることなく清流が流れています。

 最近まで、この水場はここで水が湧き出している、と思い込んでいました。小舎から千畳ヶ原を目指して登って行った時、道の左から水場に流れこむ沢音が聞こえてきました。水場にはどこからか沢水が流れ込んでいたのです。小舎から50mくらい登山道を登ると沢音がフッ!と消えたので、この付近が湧水点だと分かったのですが、辺りは密生した灌木帯なので、この時は確認を諦めました。

 湧水点を確認することが出来たのはその年の晩秋です。疑問に思ったことはどんな誹りを受けようと解決するまで追求してしまう悪い癖があり、自分で持て余しています。水場に流れ込む沢を50mほど遡ると、苔むした岩が積み重なった奥から水がコンコンと湧き出ています。小舎の流しに水を引くためのパイプラインがありました。

湧水点

 万助小舎の水場は真冬でも凍結することなく、雪堀の労力を厭わなければ美味しい水を得ることが出来るので大変助かります。雪を解かすための燃料の節約にもなります。

 若い頃の思い出ですが、水場の脇の岩の上に置いた中判カメラが、水を汲んでいるうちにドボンと言う音を立てて水没してしまいました。一晩乾かしたら、その時は作動したのですが一週間後に動かなくなりました。

晩秋の万助小舎