鳥海山ー山歩き雑感ー

12、鍋森

伏拝岳から見た冬の鍋森

 山の地形は、余計なものが雪に覆われる冬に見ると分かりやすいと言われます。山仲間が、雪に覆われた鍋森を見て「へんなの!」と言った通り、とても変わった風景だと思います。

 雪の無い季節に、四方から鍋森を見て見ます。

文珠岳から見た

鳥海湖分岐の付近で見た

幸治郎沢から見た

笙ヶ岳から見た

扇子森から見た

 鍋森は、その名の通り鍋をひっくり返したような溶岩ドームです。扇子森から見た写真を見ると、鳥海湖の隣にある可愛い小山という印象ですが、地形図を見ていて驚きました。同じ溶岩ドームの新山と比較して、高さや大きさが全く引けを取らないのです。おおよそ直径300m、高さ60m。鍋森ドームと新山ドームはほぼ同じです。新山ドームが大きく見えるのは荒神ヶ岳の上げ底があるからですね。

 国土地理院の資料によると、前鍋と東鍋を含めて「鍋森溶岩ドーム」としています。そういう見方からすると、鍋森溶岩ドームは、大きさや高さにおいて新山溶岩ドームをはるかに凌いでいることになります。鍋森、侮ることなかれです。

 千畳ヶ原から見上げると、奇妙な風景が広がっています。東鍋の斜面に、多くの窓が開いたような植生の欠落があります。どうしてこんなことになっているのか不思議でなりません。しかも、年々増えているように思います。

千畳ヶ原から見る鍋森