鳥海山ー山歩き雑感ー

 四季を問わず鳥海山を彷徨い歩いています。写真撮影を主な目的にしているためカメラのファインダーを通しての狭い視野にもかかわらず、登る度に鳥海山から新鮮な感動をもらってきました。振り返ると、鳥海山の地形、気象、動植物などが醸し出す多くの現象に戸惑いながら、その時の山歩きを楽しんできたように思います。山を歩きながら「不思議や謎」に遭遇ことは楽しみであり次の山行への励みになりました。

 

1、「扇子森」の名前の由来は?

 扇子森は鳥海湖を囲む鳥ノ海火口の外輪上の1759mのピークです。ピークの南西に鳥ノ海火口の火口壁に噴出した熔岩ドームがあり、この付近も合わせて「扇子森」と呼ばれています。「森」は普通こんもりした盛り上がりを言うのは分かるのですが、「扇子」が何を意味するか分かりませんでした。

御浜から見た扇子森

鳥海湖から見上げた扇子森

月山森から見た扇子森

 ある年の3月下旬、鍋森に立って地形図を片手に周囲を見渡しました。鳥海湖を挟んで扇子森を見た時、「扇子」が何を言っているのか分かったような気がしました。

鍋森から見た扇子森

 私の想像は、あくまで地形図を見たことから始まりました。この想像が正しいのか、もっと他のことが隠されているのか。もしも鳥海山の地形図が確定する以前から「扇子」が認識されていたとすると、昔の人の想像力にはかなわないものがあると思いました。