追憶の山紀行
大朝日岳 1
梅雨が本格的になる少し前、朝日連峰の稜線にヒメサユリが咲く。朝日連峰には数多く足を運んでいるが、ヒメサユリを見たことがなかった。思い出すのは、4日間雨にたたられ、投げやりな気分で下った飯豊のダイグラ尾根。咲いていた一輪のヒメサユリからしばらく目を離すことが出来ず、透き通るような清楚な花とその立ち姿に、落ち込み荒んだ心を救われた気がした。この時はまだ、ヒメサユリという名前さえ知らなかった。
小朝日から大朝日に続く稜線にヒメサユリが咲き始めたという情報を得て、古寺口から、大朝日避難小屋泊りの一泊二日の山行を計画した。
ブナ林の登りに汗をかき古寺山に立った。2か月ぶりの大朝日岳との対面だ。すっかり雪が消えて緑が爽やかに広がっている。登山者が多いのは、おそらくヒメサユリを見ようという人達だろう。
中岳と西朝日岳
古寺山と小朝日岳の鞍部に咲いていたヒメサユリ
群れ咲くシラネアオイ
ズダヤクシュ
サラサドウダン
小朝日岳の南壁に咲く
雲に隠れた大朝日岳
(2015年6月下旬)